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プラスチック・樹脂用語解説

※本用語集は、当社で調べた用語の意味を簡潔に記載しています。
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関税 貿易知識

関税とは自国産業の保護を目的として、特定の輸入品に課される税金です。税率や関税の種類は全て法律で決められており、HSコードと呼ばれる世界共通番号によって税率が決定されます。 関税には複数種類の税率が存在し、1・基本税率 2・協定税率(WTO協定税率) 3・暫定税率 4・特恵税率 の4種類に分かれます。 関税の課税方法は3種類に分かれており、従価税と従量税・混合税に分かれます。 従価税は、輸入品の価格に比例して関税額が上がり、輸入品の価格変動につれて関税額も変化しインフレに適応できるなどの長所がありますが、 その輸入品の価格が適正なのかどうか把握が困難であることや、輸入品の価格が低くなるほど関税額も下がり、国内産業保護という目的が薄れるなどの短所もあります。 それに対して従量税とは、輸入品の個数、容積、重量などの数量に比例して関税が変動するもので、輸入品価格の高低は関税率に影響しません。 従量税は、税額を容易に算定できるなどの長所がある反面、物価変動に際し負担の不均衡を生ずるなどの短所があります。 最後の混合税(従価従量税)とは従価税と従量税を組み合わせたものを言います。これには従価・従量選択税(選択税)と従価・従量併用税(複合税)とがあります。 選択税は、1つの貨物に対して従価税と従量税の両方を定め、いずれかの税額が高い方の税額を課すという仕組みです。 課税価格の高いところでは従価税が、低いところでは従量税が適用されることになりますので、関税の国内産業保護機能を十分に発揮することができます。 現在、毛織物、卵黄、魚油、鉛合金の塊などについて適用されています。 複合税は、従価税と従量税を同時にかけるもので、従量税は輸入品の価格が高くなるにつれて税率が低くなるため、これに一定の従価税をプラスして国内産業を特に保護しようとするものです。 現在、一部の乳製品について適用されています。また、一部の綿織物には、従価税と複合税との選択税が適用されています。 関税には特殊な種類の関税が数種類存在します・ ・差額関税 差額関税とは輸入品の価格が低い場合には、輸入品の価格と基準となる価格との差額を関税として課す一方、 輸入品の価格が高い場合には、無税又は低税率を適用することにより、国内産業と国内消費のバランスを図る関税です。 ・季節関税 季節関税とは、輸入される時期によって異なる税率を課す関税です。 季節関税の目的は、国産品の出回り期が、特定の季節に偏っているような場合、その期間にこれと競合する輸入品に対して高い関税を課すことにより国産産業の保護を図り、 その他の季節には低い関税を課すことにより消費者の要望に応えることにあります。 ・関税割当制度 関税割当制度とは、一定の数量以内の輸入品に限り、無税又は低い税率(一次税率と呼びます)の関税を適用して、消費者に安価な輸入品を提供をできる一方、 この一定数量を超えた輸入分については比較的高税率(二次税率と呼びます)の関税を適用することによって、国内生産者の保護を図る制度です。